当事務所は代表の木村茂樹が平成9年に創業し、現在では息子の木村集とともに事業を拡大しております。ぜひ私たちの考えを知っていただきたく、今後の当事務所のあり方や、お客様・サービス内容について、対談形式でまとめております。
所長 創業したのが平成9年やから、現在時点(2017年)でもう20年か。長いような短いような……。
集 もともと所長は不動産業界にずっといらっしゃったので、業界経験としてはもっと長くなりますね。
所長 そうやね。業界に長らくおったから、ある程度食べていけるやろうという見込みはあったかな。
集 そのころ僕はまだ7歳くらい。忙しそうにしている印象はありましたが、何をやってるのかはさっぱり理解してませんでした。
所長 そうやわな。当時、自宅で仕事してたとき、電話口で「木村先生」と呼ばれてるのを聞いて、「お父さんは先生なんや!」と、喜んでたこと覚えてるで(笑)。
集 そうですか(笑)。まあ、父親の背中を見て同じ道を歩もうと思った、なんてのは言い過ぎですけど。そんな側面も少しくらいはあるのかもしれません。
所長 今やから言えるけど、中学生くらいの時から現場仕事手伝わせてたしな。
集 当時から背が高かったですからね。作業服を着て帽子を深めに被っといたらそれっぽく見えるっていう。まあ、何を手伝ってたのかの記憶もほとんど無いですけど。
『技術を持ったサービス業』への進化
集 そんなこんなで、僕が二十歳くらいのときですね。フラフラしていたところを「このままだとコイツは良くない道に進むんじゃないか」ということで拾ってもらった。
所長 きっちり理解してんねや(笑)。偉いもんやね。
集 褒められたものじゃないですけど(笑)。
所長 一緒にやりだしてからは、スムーズに売上も右肩上がりになっていったな。
集 私は「親子二代でやってるからこその強み」ということを意識していますが、一緒にやりだしてから何か変化はありましたか?
『速さ』の大切さ
所長 あとは、「スピード感」を大事にすると決めたことやな。僕らはどうしても職人の世代やから、「品質」を重視してしまう。手がいっぱいの時は受けないし、いい加減な仕事をするくらいなら納期をずらす。
集 そうですね。もちろん手を抜くということじゃなく、お客様のニーズを正しく捉えるということ。過剰な品質を追求するよりも、早く結論を出すことの方が大事な場面もあります。所長は不動産営業のキャリアが長いですから、業界の方が何を考えているか、何を求めているかということをよく分かっている。それを会社のノウハウとして利用させて貰えるのは頼りになりますね。
所長 そうそう、昔は発注する側やったからよう分かるけど、スピード命の場面なんかいくらでもあるもんな。どうしても今日中に申請して明後日までに登記を上げなアカンとか。工事中にうっかり境界標をとばして、隣の家の人が怒ってるからすぐ来てほしいとか。今月仕入れするためには明日中に測量して稟議通さなアカンとか……。
集 あんまりそういった場面ばかりで重宝されてもアレですけどね(笑)。そういった切羽詰まった話だけじゃなく、相談の電話を貰ってサッと行けるということなんかも価値だと思います。スピードというのは、難しいようで簡単なこと。やれることはすぐやる。当たり前のことですけどね。
所長 やろうと思ったら、すぐ動ける業務は結構あるからな。それをすぐに片付ける。これは優秀な社員がいるからこそやね。みんな若くてフットワークが軽い。
お客様の先にいる人たちのことまで
集 もちろん作業の正確性は大前提ですけどね。私はお客さまのニーズは「納期の厳守」「現場作業の正確性」に集約されると思っています。
所長 利害関係者の多い仕事やからね。僕らのお客様の後ろには、売り手と買い手がいて、土地には隣人が住んでいて、工事業者も僕らの仕事が終わるのを待っている。
プロフェッショナルの集団を目指して
集 さっきの話と矛盾するかもしれませんが、職人的なプロ意識を持ち、個人が成長していくこと。それが、お客様のニーズに応えることにもなるはずです。不動産に関することなら何でも相談して貰えるような、そんなプロフェッショナルの集団になっていきたいと思います。
所長 僕も社員から見たら父親の年齢やから、まずは安全第一。その上でみんなの成長を期待したい。
集 型にはまった仕事ばかりではないので、所長の経験は会社にとって貴重な資産です。そういった経験を伝えるデータベース的な役割とでもいうのでしょうか。経験をもとに若い人材を育ててもらうことで、個人と会社の成長を手助けしてもらいたいと思っています。
所長 早めに所長の座を譲りたいというのはあるけど、仕事は80歳くらいまで続けたい。責任のない部署にしてね(笑)。